先生、除毛と脱毛の違いってよくわからないんですけど…
そうですね、よくご質問いただきます。
除毛と脱毛は方法も効果も全く異なりますからね。
そうなんですね。
除毛と脱毛はどちらがおすすめなんでしょうか?
それぞれにメリット、デメリットがあるので、
目的に合わせて選ぶのが大切です。
なるほど…
では、それぞれどんな特徴があるんですか?
この記事では、除毛と脱毛の違いから、
それぞれのメリット・デメリットまで詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてください。
しっかり読んでみます。
ありがとうございます!
ムダ毛をなくしてツルツルな肌を手に入れるために「脱毛」を検討している方もいらっしゃるでしょう。
一方で脱毛に似た言葉として「除毛」があります。
除毛と脱毛はどちらも毛を取り除くという点は共通ですが、その仕組みや方法は全く異なるものです。
本記事では除毛と脱毛の定義やメリット・デメリットを詳しく解説します。
両方の違いを明確に理解しておき、目的に合った方法を選択できるよう参考にしてください。
除毛と脱毛の違いとは?
除毛と脱毛は似た言葉ですが、明確に定義が異なります。
大まかな違いとしては、肌の表面から出ている毛だけでなく、肌の奥に隠れている「毛根」を除去するかどうかです。
肌の表面にある毛を除去すれば、一時的には毛の量が少なくなったように見えるでしょう。
しかし、毛穴の内部には毛が残っているため、再び表面に生えてきて元の状態に戻ります。
一方で毛根ごと除去する方法では、次の毛が生えて目立つまでの時間に猶予が生まれたり、脱毛方法によっては永久脱毛の効果を得られたりします。
ここからは、除毛と脱毛の違いや具体的な方法、アイテムについて見ていきましょう。
長期的にムダ毛を減らしたい方は、ぜひ確認してください。
除毛は肌の表面に生えている毛を除去するもの
除毛とは、主に肌の表面から出ている毛のみを除去することを指します。
以下は、除毛に用いられるアイテムの代表例です。
- カミソリ
- 除毛クリーム
- 電気シェーバー
- 毛抜き
- 脱毛ワックス
上記のうち毛抜きと脱毛ワックスは肌の表面だけでなく、毛根の一部も含めて引き抜きます。
前述した定義によれば脱毛に分類されるように思えますが、毛抜きや脱毛ワックスには毛の成長に関わる発毛組織を破壊するわけではありません。
時間が経てば再び以前と同じように毛が生えるため、本質的には除毛に該当します。
除毛は毛根にある発毛組織にはアプローチせず、あくまですでに生えている毛を取り除く手法であると理解しておいてください。
脱毛は毛根まで除去するもの
脱毛とは肌の表面に生えている毛だけでなく、毛穴の内部にある毛根やその周辺の発毛組織も含めてアプローチすることです。
主な脱毛方法は以下の通りです。
- 医療レーザー脱毛
- ニードル脱毛
- 光脱毛
- 家庭用脱毛器
脱毛方法によって期待できる効果の大きさや、用いる機器の種類などが異なります。
以下で詳しく解説します。
医療脱毛と美容脱毛の違い
毛根ごと除去する脱毛はさらに、医療脱毛と美容脱毛(エステ脱毛・脱毛サロン)の2種類に分類できます。
いずれも発毛組織にアプローチする点は同じですが、与えるダメージの大きさや永久脱毛の効果の有無に違いがあります。
脱毛方法 | 医療脱毛 | 美容脱毛 |
---|---|---|
特徴 | 発毛組織を破壊して毛を生えなくする | 発毛組織にダメージを与えて毛が生える頻度を少なくする |
永久脱毛の効果 | 期待できる | 期待できない |
痛み | 比較的強い | 比較的弱い |
費用 | 比較的高め | 比較的安め |
施術回数 | 比較的少ない | 比較的多い |
施術者の資格・免許 | 必要 | 不要 |
脱毛方法の代表例 | ・医療レーザー脱毛 ・ニードル脱毛 | ・光脱毛 ・家庭用脱毛器による脱毛 |
施術できる場所 | 医療従事者が在籍するクリニック | エステサロン、自宅など |
なお、永久脱毛の定義は「複数回の施術後に再生する毛の数を安定的・長期的に減らすもの」です。
医療レーザー脱毛やニードル脱毛は発毛組織を破壊できるため、永久脱毛の効果を期待できる脱毛方法です。
除毛のメリット
これまでに除毛と脱毛の違いをお伝えしましたが、両者にはそれぞれ異なるメリットとデメリットが存在します。
以下ではまず除毛のメリットを紹介します。
手軽にムダ毛処理を行える
除毛は発毛組織にアプローチせず肌の表面にある毛を取り除くシンプルな手法のため、手軽に行えるのが大きなメリットです。
薬局やインターネットなどでカミソリや除毛クリームを購入すれば、自宅でムダ毛処理を始められます。
クリニックや脱毛サロンに通い施術を受ける必要がないため、時間がない方にとっては手軽で嬉しい方法です。
また、除毛を行えばその日からムダ毛を目立たないようにできるため、外出の予定などで急きょ「明日までに毛をなくしたい」といった場合には電気シェーバーなどによる除毛が効果的です。
比較的安く除毛アイテムを購入できる
除毛に必要なアイテムは、比較的リーズナブルな価格で手に入ります。
以下に、代表的な除毛アイテムと価格帯を示しました。
除毛アイテム | 平均的な価格帯 |
---|---|
カミソリ | 約200円〜1,000円程度 |
毛抜き | 約500円〜3,000円程度 |
除毛クリーム | 約1,000円〜3,000円程度 |
電気シェーバー | 約2,000円〜10,000円程度 |
脱毛ワックス | 約1,000円〜3,000円程度 |
カミソリは安いものであれば、数百円から購入できます。
しかし、安い刃物は切れ味が悪いものもあり、刃を何度も当てるうちに肌を傷つけてしまう可能性があります。
傷口から細菌が入ると炎症を引き起こすため、自分に合わないと思ったら少し高めのものを選ぶと良いでしょう。
また、除毛クリームには、毛を構成するタンパク質を溶かす成分が含まれています。
その分、肌にも少なからず負担となるため、保湿成分や抗炎症成分が含まれている製品もあります。
カミソリや電気シェーバーは製品によって使用できる箇所が異なるため、除毛したい箇所に使えるかどうかあらかじめ確認しておきましょう。
除毛のデメリット
手軽かつ安価にムダ毛を処理できる除毛ですが、効果や肌への負担に関するデメリットもあります。
以下では除毛のデメリットについて、詳しく解説します。
カミソリや除毛クリームでのムダ毛処理を検討している方は把握しておいてください。
すぐにムダ毛が生えてきてしまう
除毛では、毛の成長の根本に関わる発毛組織にアプローチできません。
あくまで肌の表面に露出している毛や、毛根の一部を応急処置的に取り除くだけです。
毛の濃さや成長速度には個人差がありますが、一定の期間が経過すると再び新しいムダ毛が生えてきます。
常にムダ毛がない状態をキープしたい場合は、数日間〜数週間ごとに除毛の作業をくり返す必要があり、際限がありません。
また、カミソリや除毛クリームといったアイテムは消耗品なので、ムダ毛を処理し続ける限り定期的に買い替えなければなりません。
長期的に見ると出費がかさんでしまうデメリットもあります。
肌トラブルが起こりやすい
前述のとおり除毛でのムダ毛処理は定期的に行わなければならず、結果的に肌にダメージを与えてしまう頻度も増えるでしょう。
カミソリや電気シェーバーを肌に直接当てた際には、微細な傷が出来ます。
傷口から細菌が入れば感染症によって痛みや炎症の原因になることもあるのです。
また、除毛クリームの主成分であるチオグリコール酸カルシウムなどは、毛のタンパク質を溶かす性質があるため、肌にも作用して肌荒れを引き起こす場合があります。
さらに毛抜きは毛に強い力を加えて引き抜く方法のため、毛穴や毛根周辺を傷つける恐れもあります。
除毛の方法によって肌にダメージを与える仕組みは異なりますが、いずれにしても以下のような肌トラブルのリスクがあると知っておきましょう。
肌トラブルの例 | 肌トラブルの詳細 |
---|---|
色素沈着 | 肌への刺激によるシミ・黒ずみ |
毛嚢炎(もうのうえん) | 毛穴に細菌が侵入して引き起こされる炎症 |
埋没毛 | ムダ毛が皮膚に埋まり、肌表面に露出しない状態 |
脱毛のメリット
発毛組織にアプローチする「脱毛」のメリット・デメリットも把握しておきましょう。
まず、メリットは以下の通りです。
ムダ毛が生えてくる頻度が低くなる
脱毛は毛の成長に関わる発毛組織にダメージを与えるため、毛の成長速度を遅らせたり、毛が生えてこないようにしたりする方法です。
医療脱毛であれば、発毛組織を破壊できます。
基本的に一度破壊した発毛組織からは毛が生えなくなるため、長期的にムダ毛が目立ちにくい状態となります。
ムダ毛が目立たなくなれば、わざわざカミソリなどを用いて自己処理をする頻度も減るため、手間や時間をかけることなくツルツルな肌を保てるでしょう。
肌トラブルが起こる頻度が低くなる
脱毛によって毛の量が少なくなり、自己処理の頻度が低くなれば、肌トラブルのリスクを低減できます。
前述の通り、カミソリや除毛クリームといったムダ毛処理は肌に負担がかかり、炎症や色素沈着などの原因になりかねません。
肌をキレイにするためにムダ毛を処理しているのに、肌トラブルによって見た目の印象に影響が出てしまっては本末転倒です。
また、脱毛の施術を受けることで、毛の量を少なくできるだけでなく、肌自体も健康な状態を保ちやすくなります。
頻繁にムダ毛処理をしている方ほど、脱毛を検討してみると良いでしょう。
毛穴が目立たなくなる
脱毛の施術を受けると毛が細くなったり、生えなくなったりするため、毛によって目立ちやすい毛穴のブツブツ感が減ります。
また、カミソリや除毛クリームなどの除毛で取り除けるのは、肌の表面に生えている毛のみです。
肌の表面にある毛をカットすることで、毛穴に残っている毛の根本がかえって太く見え、黒い点として目立ってしまう場合もあります。
脱毛は発毛組織を破壊したり、ダメージを与えたりすることで毛の量が減り細くなるため、その分毛穴が引き締まります。
黒い毛穴が気になる方や肌をキレイに見せたい方は、脱毛を検討してみてください。
脱毛のデメリット
自己処理の頻度を減らしたり、肌の健康状態を助けたりする脱毛ですが、デメリットも存在します。
以下では脱毛のデメリットを2つ紹介します。
脱毛を検討している方は、併せて確認してください。
脱毛の施術を受けるときに少なからず痛みが生じる
脱毛の施術では発毛組織に刺激を与える必要があるため、少なからず痛みが生じるケースが多いです。
個人差はありますが、脱毛の方法や用いる脱毛機の種類などによって痛みの感じやすさが異なります。
脱毛の中でも、発毛組織を破壊するほどの刺激を加えない光脱毛や家庭用脱毛器であれば、出力が低いため、痛みは比較的少ないです。
しかし、永久脱毛の効果はありません。
一方で発毛組織を破壊できる医療脱毛は、光脱毛に比べると強い痛みを感じやすいですが、永久脱毛の効果を得られます。
医療脱毛の痛みは、「ゴムで弾かれたような痛み」とよく表現されます。
しかし、個人差や施術部位、脱毛機器によって痛み方は異なります。
- 痛みを感じやすい部位
顔・・・顔の皮膚は薄いため、痛みを感じやすい場合があります。
Vライン・・・毛が濃く、皮膚が薄い部位のため、痛みを感じやすいです。
脇・・・毛が太く、皮膚が敏感なため、痛みを感じやすいです。
焼けるような痛みは、特に毛が濃くて太い部位で感じやすい痛みです。
とはいえ、医療脱毛の痛みが比較的少ない、蓄熱式の脱毛機も存在します。
蓄熱式とは、低出力のレーザーを連続的に当てて徐々に熱を発生させる低刺激な照射方式です。
医療レーザー脱毛の痛みの主な要因は熱による肌へのダメージであるため、痛みが心配な方は、蓄熱式のように熱の発生を極力抑える仕組みを備えた脱毛機を検討すると良いでしょう。
また、脱毛を受けられるクリニックは医療機関に該当するため、施術を受けるときの痛みを抑える麻酔を使用できるところもあります。
痛みに弱い方には、レーザーの出力を調整したり、施術前に冷却ガスを吹きかけることで、皮膚を冷やし、痛みを軽減します。
どうしても痛みに耐えられない場合は、クリニックの医師や看護師に相談してみてください。
複数回の施術を受ける必要がある
脱毛では、1回の施術で全ての毛にアプローチすることはできません。
そのため、複数回の施術を受ける必要があると覚えておきましょう。
医療レーザー脱毛や光脱毛で発毛組織にダメージを与える仕組みには、毛周期と呼ばれる以下の毛の成長サイクルが大きく関わっています。
- 成長初期
- 成長後期
- 退行期
- 休止期
全ての毛は異なるタイミングで絶えず上記のサイクルをくり返しています。
このうち医療レーザー脱毛や光脱毛で発毛組織にダメージを与えられるのは、成長初期と成長後期の毛のみです。
毛が生える箇所にもよりますが、成長初期と成長後期の毛は一度に全体の10〜20%しか存在しません。
退行期や休止期の毛に照射をしても脱毛効果は得られないため、毛周期に合わせて平均1〜3カ月ごとに施術を受ける必要があります。
脱毛の効果を実感できるまでの施術回数には個人差がありますが、目安としては以下の通りです。
脱毛の種類 | 施術回数 |
---|---|
医療レーザー脱毛 | 約5〜7回 |
光脱毛 | 約12〜18回 |
医療レーザー脱毛に用いるレーザーは光脱毛の光より出力が高いため、施術の回数は少なく済みます。
また、複数回に渡る施術を完了させれば、基本的には追加で施術を受ける必要はありません。
光脱毛は、脱毛完了後も追加施術が必要になる場合があります。
これは、光脱毛の照射パワーが医療脱毛よりも弱いため、1回の施術で得られる脱毛効果が低く、抑毛・減毛の効果を得るために何度も施術を重ねる必要があるからです。
光脱毛では、一般的に12〜18回程度の施術が必要とされ、効果を実感するまでに時間がかかることが多いです。
また、光脱毛は永久脱毛の効果を持たないため、施術後に毛が再生する可能性があります。
特に、ホルモンバランスの変化や新たな毛周期の影響で再び毛が生えてくることがあります。
そのため、定期的なメンテナンスが必要になることがあります。
医療脱毛や光脱毛は1回の施術で脱毛の効果を実感するのは難しいですが、長期的に自己処理の手間を減らしたいのであれば検討してみても良いでしょう。
まとめ
除毛と脱毛の違いを一言にすれば、毛根や発毛組織を除去するかどうかです。
カミソリや除毛クリームを用いる「除毛」は、肌の表面に出ている毛のみを剃ったり、溶かしたりして取り除きます。
一時的に毛を無くしても、再び毛が生えて元の状態に戻るのが特徴です。
一方で医療レーザー脱毛や光脱毛といった「脱毛」は、発毛組織を攻撃することで毛の成長を抑制します。
脱毛の施術を完了すれば長期的にムダ毛が目立ちにくい状態をキープできるため、自己処理の頻度を減らせます。
肌トラブルを抑えつつ永久脱毛の効果を得たい方は、医療脱毛を検討すると良いでしょう。
除毛と脱毛は似ている言葉のため、違いを理解しにくい方も多くいます。
除毛は一時的に毛を目立たなくするもの、脱毛は長期的に毛を生えにくくするものと覚えておくと分かりやすいでしょう。
除毛はお手入れをした日から毛が目立たなくなるという意味で即効性があります。
肌の露出が多くなる夏場や急な予定が発生したときに活用できる方法です。
一方で長期間毛がない状態に保ちたい方は、医療脱毛や美容脱毛を選択する方が多いです。
自身の目的やライフスタイルに合わせて使い分けてみてください。
鈴木 稚子 医師
診療科目:美容皮膚科
- 1994年東京慈恵会医科大学医学部卒業
- 同大学皮膚科学教室
- 国立大蔵病院皮膚科
- 臨床研究部を経て
- 2000年 用賀ヒルサイドクリニックを開院
- 2017年9月23日六本木スキンクリニックを開院
大学卒業後、大学病院、国立大蔵病院でかかわった薬剤師や研究者の方たちの手助けもあり、用賀ヒルサイドクリニック開設後も引き続き、ニキビ痕の凹み(ニキビ痕のクレーター)の治療薬づくりを行う。
2018年に、治療薬が完成し、患者様に治療を開始する。
今まで、ニキビ跡の凹み(ニキビ跡のクレーター)の治療はできないとされていたが、口コミで、ニキビ痕の凹み(ニキビ痕のクレーター)が治ると伝わるようになる。
その後もその技術を毛穴開きの治療に生かし、毛穴開きの治療もオリジナルの薬液で行うようになる。
現在では日本中からニキビ痕の凹み(ニキビ痕のクレーター)と、毛穴開きの患者様が来院するようになる。
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