【医師監修】敏感肌でも脱毛の施術は受けられる？自己処理を控えるべき理由や医療脱毛が適している理由などについて紹介

敏感肌のため、脱毛の施術を受けても問題ないか心配な方もいらっしゃるのではないでしょうか。

結論から述べると、敏感肌でも肌の状態によっては問題なく脱毛の施術を受けられます。

むしろ日常的に自己処理をする方が肌への負担が大きいため、脱毛をした方がよいという考え方もあるほどです。

本記事では、敏感肌の方でも脱毛の施術を受けられる理由や自己処理を控えた方がよい理由などについて詳しく解説していきます。

敏感肌の方が自己処理を控えるべき理由

自己処理は肌に負担がかかるため、敏感肌ではなくても肌トラブルが生じるリスクがあります。

敏感肌の方は少しの刺激でも肌トラブルが起こりやすいため、日頃から肌への刺激をなるべく抑えることが大切です。

カミソリで自己処理をする場合、カミソリの刃が直接肌に当たって角層を削ぎ落とすため、肌の乾燥を引き起こす恐れがあります。

角層を構成する角層細胞は、細胞間脂質によってすき間が満たされており、外部刺激や水分の過剰な蒸発を防ぐ役割を果たしています。

そのため、カミソリによる自己処理は角層を削ぎ落としてしまうことで肌の乾燥を招き、バリア機能が低下し、肌トラブルにつながりかねません。

毛抜きやワックスによる自己処理も避ける必要があります。

毛穴や毛根がダメージを受けて、炎症や出血を引き起こす場合があるためです。

頻繁な自己処理はそれだけで肌を痛めるため、敏感肌の方は控えた方がよいでしょう。

敏感肌の方のムダ毛対策には医療脱毛が適している

敏感肌の方は自己処理によって肌トラブルが起こりやすいため、代わりに脱毛によってムダ毛対策をするケースも多いです。

脱毛にはエステサロンや脱毛サロンで受けられる光脱毛もありますが、敏感肌の方の場合は医療脱毛の方が適しています。

その理由について詳しく解説していきます。

医療脱毛は永久脱毛の効果がある

医療脱毛は発毛組織を破壊することで、毛が長期間生えてこない状態を実現する施術です。

発毛組織を破壊する施術は医療行為に該当するため、エステサロンや脱毛サロンでは施術を受けられません。

エステサロンや脱毛サロンで受けられる光脱毛は、発毛組織にダメージを与えるにとどまるため、最終的には再び毛が生えてくる脱毛方法です。

一方で医療脱毛は、永久脱毛の効果がある施術です。

ただし、永久脱毛に一律の定義はなく、国や規制機関によって考え方は異なります。

FDA（アメリカ食品医薬品局）の定義では、「一定の脱毛施術を行った後に再び生えてくる毛の本数が長期間において減少し、その状態が長期間に渡って維持されること」とされています。

 また、AEA（米国電気脱毛協会）によると「最終脱毛をしてから1ヶ月後の毛の再生率が20％以下であれば永久脱毛と認める」とされています。

このように永久脱毛であっても、一生毛が1本も生えてこないことを示すものではありません。

ただし、自己処理の頻度を大幅に減らせる脱毛方法であるため、敏感肌の方に適していると言えるでしょう。

自己処理の手間がかからなくなる

敏感肌の方は普通肌の人と比べて肌にダメージを受けやすいため、自己処理をする際は時間をかけて丁寧に行う必要があります。

シェービングクリームを塗ったり、処理をした後に保湿をしたりしなければならないため、手間も時間もかかるでしょう。

医療脱毛を完了すると毛が生えにくくなるため、自己処理がほとんど必要なくなります。

医療脱毛を受けることで、これらの手間や時間を大幅に削減できます。

自己処理が原因の肌トラブルが起こりにくくなる

ムダ毛の自己処理は、肌トラブルの原因となることが多いです。

カミソリ負け、毛穴の炎症、乾燥肌、赤み、かゆみ、湿疹、色素沈着など、自己処理によるダメージは避けられません。

そこで、自己処理を減らし、プロの脱毛サービスを利用することで、これらの肌トラブルを未然に防ぐことができます。

脱毛専門の医療機関では、安全で効果的な施術を提供しており、肌への負担を最小限に抑えながら、ムダ毛のない滑らかな肌を実現します。

特にレーザー脱毛は、毛根にダメージを与え、長期的な脱毛効果をもたらすため、頻繁な自己処理が不要になります。

また、専門のスタッフが施術を行うため、適切なアフターケアも受けられます。

これにより、肌の健康を維持しつつ、自己処理による肌トラブルを大幅に減少させることが可能です。

自己処理を続けることで生じるリスクを考慮すると、脱毛のプロに任せることは非常に賢明な選択です。

毛穴の詰まりや赤み、痛みを防ぎ、常に自信を持てる肌を保つためにも、専門的な脱毛サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

万が一の場合、医師の診察を受けられる

医療脱毛の施術は、医師や看護師が行う必要があります。

そのため、脱毛の施術を受けたことによって万が一肌トラブルが起こったとしても、医師による診察と治療が可能です。

一部のクリニックでは、施術が原因で起きた肌トラブルの診察や薬の処方が無料になる場合もあります。

医療脱毛ではレーザーを肌に照射して熱を発生させるため、少なからず肌への負荷がかかります。

施術を受けたことで肌トラブルが起きる可能性も全くないとは言えません。

特に敏感肌の方は多少の刺激でも炎症が生じる場合があり、万が一を想定しておくことが大切です。

医療従事者のアフターケアを受けられる医療脱毛の方が、より挑戦しやすいでしょう。

敏感肌だと医療脱毛の施術を受けられない場合がある？

敏感肌の場合でも医療脱毛であれば、施術を受けられる可能性が高いです。

しかし、肌の状態によっては施術を受けられなかったり、出力を下げなければならなかったりするケースもあります。

施術を受けられないと医師に判断された場合、施術を再開できるのは肌の状態が落ち着いてからです。

ここからは施術を受けられないケースについて、詳しく解説していきます。

炎症を起こしている・化膿している

症状の度合いによっても異なりますが、炎症や化膿がある箇所には医療脱毛の施術を受けることはできません。

まだ治っていない傷やかき壊しなどがある場合も難しいです。

その状態のまま施術を受けると、症状が悪化する可能性があるためです。

このような炎症が見られる場合は症状が改善するまで待ち、医師の判断のもとで施術を受けるようにしましょう。

広範囲にニキビができている

広範囲にニキビができている場合も、施術を受けられない可能性があります。

ニキビの箇所にはレーザーを照射できません。

ニキビの箇所を避けて照射できる場合もありますが、ニキビが広範囲に及んでいると避けることも難しく施術可能な範囲が小さくなってしまうためです。

治りかけのニキビやニキビ痕には照射できる場合があります。

しかし、ニキビ痕の中でも強い色素沈着が起きているものは、レーザーの熱が反応して火傷を負う恐れがあるため、施術を断られる可能性が高いでしょう。

ニキビがある場合は、脱毛の施術を受けられるかどうか、施術を担当するスタッフや看護師に相談してみてください。

重度の肌トラブルがある

医療脱毛は、安全で効果的な脱毛方法として人気がありますが、重度の肌トラブルを抱えている場合は施術が難しいことがあります。

その理由はいくつかあります。

まず、医療脱毛は高出力のレーザーを使用するため、健康な肌に対しても多少の刺激を与えます。

重度の肌トラブルがある場合、皮膚のバリア機能が低下しているため、レーザーの刺激が過剰になり、症状が悪化するリスクが高まります。

炎症や感染症、アトピー性皮膚炎などの状態では、レーザーがトラブルの原因となり得るため、施術が避けられます。

また、医療脱毛の際には事前に肌の状態を確認し、施術後のアフターケアが重要です。

重度の肌トラブルがあると、回復力が低下しているため、施術後の肌の治癒が遅れたり、予期しない副作用が発生する可能性があります。

このようなリスクを避けるためにも、医療機関では安全を最優先に考え、施術を断ることがあります。

さらに、医療脱毛の際に使用される薬剤やクリームも、肌トラブルを抱えている方には刺激となる場合があります。

これらの薬剤が肌に合わず、アレルギー反応やさらなる炎症を引き起こす可能性があるため、慎重に対応する必要があります。

以上の理由から、重度の肌トラブルがある場合は医療脱毛を受けることが難しいのです。

医療脱毛を検討している方は、まず皮膚科専門医に相談し、自分の肌の状態に適した脱毛方法を選ぶことが重要です。

健康な肌を維持しつつ、安全に脱毛を行うためには、専門的なアドバイスを受けることが不可欠です。

特定の薬を服用している

医療脱毛は、効果的で長期間持続する脱毛方法として広く利用されていますが、特定の薬を服用している場合、施術が制限されることがあります。

その理由は以下の通りです。

まず、レーザー脱毛の際に使用される光や熱が、特定の薬との相互作用で予期しない副作用を引き起こす可能性があります。

例えば、抗生物質や光感受性を引き起こす薬を服用していると、レーザーに対して肌が過敏になり、赤みや炎症、火傷のリスクが増大します。

また、抗凝血剤を服用している場合、施術中の小さな傷でも出血が止まりにくくなることがあります。

このため、皮膚が回復するまでの時間が長くなり、感染症のリスクも高まります。

これらの薬は、体内の出血を抑制するためのものであり、レーザー施術後の治癒過程に悪影響を及ぼす可能性があります。

さらに、免疫抑制剤やステロイドを服用している場合も注意が必要です。

これらの薬は免疫システムを抑制し、皮膚の治癒能力を低下させます。

その結果、施術後の感染症リスクが高まるだけでなく、施術部位の回復が遅れることがあります。

以上の理由から、医療脱毛を検討する際には、現在服用している薬について事前に医師に相談することが重要です。

医師は、施術を希望する方の健康状態と服用薬の種類に基づいて、最適な脱毛方法や安全な施術計画を提案します。

自己判断での施術は避け、必ず専門医の指導の下で行うことが、安全で効果的な脱毛を実現するための鍵となります。

医療脱毛で起こり得るリスク

医療脱毛は肌に熱によるダメージが及ぶ施術のため、肌トラブルのリスクがゼロではないことを理解しておきましょう。

特に敏感肌の方は肌のバリア機能が低下しているため、普通肌の人と比べて肌トラブルが起こりやすいことに注意が必要です。

医療脱毛に伴う肌トラブルの種類と特徴は以下のとおりです。

肌トラブル	特徴
赤みやヒリヒリ感	熱ダメージによる炎症によって、一時的に赤みやヒリヒリ感が現れる。  患部をよく冷やせば数日程度で改善する。
毛嚢炎（もうのうえん）	毛穴に細菌が感染して炎症が起きる。
火傷	レーザーの熱によって肌が火傷を負ってしまう。
色素沈着	肌に炎症が起きた後に、メラニン色素が肌に沈着してシミのような症状が現れることがある。
増毛・硬毛化	施術後に、毛が濃くなったり硬くなったりするケースがある。

敏感肌で医療脱毛の施術を受ける際に行った方が良いこと

敏感肌の方が脱毛の施術を受ける際は、肌トラブルを防ぐために施術前後の行動について、より一層の注意が必要です。

敏感肌の方が脱毛の施術を受ける際に行った方がよいことについて、詳しく解説していきます。

かかりつけの医師がいる場合は事前に相談をする

皮膚科に通っている場合、医療脱毛の施術を受けることをかかりつけの医師に相談しましょう。

かかりつけの医師はあなたの肌の状態をよく知っているため、医療脱毛の施術を受けられるかどうかや、照射の出力、施術前後のケアに関するアドバイスを得られます。

その上でクリニックの事前カウンセリングを受けるときには、医師に肌の状態を詳しく確認してもらいましょう。

施術についてかかりつけ医からの助言を受けた場合は、脱毛の施術を受けるクリニックの医師と看護師にも情報を共有しておいてください。

医師に肌の状態に問題がないと判断された場合にのみ、施術を受けることができます。

蓄熱式の脱毛機を導入しているクリニックを選ぶ

敏感肌の方にとって、脱毛は大きなチャレンジとなります。

脱毛機の種類によっては、肌への負担が異なるため、自分に適した方法を選ぶことが重要です。

敏感肌の方は、蓄熱式の脱毛機を導入しているクリニックを選ぶことをおすすめします。

では、蓄熱式と熱破壊式の違いを詳しく見ていきましょう。

蓄熱式の脱毛機は、比較的新しい技術で、肌に優しいという特徴があります。

低出力のレーザーを使い、皮膚の表面を温めることで毛根を徐々に破壊します。

この方法は、一度に多くの毛を処理でき、痛みが少ないのが特徴です。

特に、敏感肌の方や痛みに弱い方には最適です。

さらに、蓄熱式は肌にかかる負担が少ないため、施術後の赤みや腫れも軽減されます。

一方、熱破壊式の脱毛機は、高出力のレーザーを使用して毛根を直接破壊します。

この方法は、短時間で効果が得られるため、忙しい方には適していますが、施術中に強い痛みを感じることがあります。

熱破壊式は、濃く太い毛に効果的ですが、肌が敏感な方には刺激が強すぎる場合があります。

このように、敏感肌の方には、肌への負担が少なく、痛みが少ない蓄熱式の脱毛機が適していることがわかります。

敏感肌の方は、蓄熱式の脱毛機を導入しているクリニックを検討してみてください。

蓄熱式の脱毛機は、発毛の指令を出す「バルジ領域」を破壊することで、脱毛効果を実現するものです。

蓄熱式の脱毛機は従来の熱破壊式の脱毛機と比べて低出力のレーザーを照射するため、肌への負担を抑えられます。

したがって敏感肌の方でも施術を受けられる可能性が高いです。

クリニックを選ぶ際には、蓄熱式の脱毛機を導入しているかどうかを確認し、自分の肌質に合った方法で脱毛を行うことが重要です。

脱毛の効果を最大限に引き出しながら、肌の健康を守るためにも、適切な脱毛機を選ぶことが大切です。

いつも以上に保湿を徹底する

医療脱毛の施術後の肌は、レーザーによる熱の影響で乾燥しています。

乾燥した肌は普段よりもデリケートな状態のため、保湿を徹底してバリア機能を補う必要があります。

敏感肌の方は、普段から使用していて肌が慣れている化粧水を使用しましょう。

もしピリピリ感や違和感がある場合は、敏感肌用の低刺激の化粧水を使うことが大切です。

また、化粧水で肌に水分を与えた後は、乳液やクリームなどで油分を補給してください。

油分で蓋をすることで、補給した水分が蒸発しにくくなります。

あまりにも乾燥が気になる場合は、いつもより保湿をする回数を増やしてみてもよいでしょう。

日焼け（紫外線）対策をする

医療脱毛の施術前後には、敏感肌かどうかにかかわらず日焼けを避ける必要があります。

日焼けをした状態で脱毛の施術を受けると、レーザーが肌に含まれるメラニン色素にも反応し、火傷のリスクが高まります。

施術自体を断られる可能性もあるため、日焼けをしないようにしっかりと対策をしましょう。

また、脱毛の施術後は通常よりも肌が敏感になっているため、日焼けをすると火傷や色素沈着、シミ、赤みなどの肌トラブルが発生しやすくなります。

日焼け対策として低刺激の日焼け止めを使用することが大切です。

さらに長袖の服、帽子、日傘などを活用して、肌を紫外線から徹底的に守りましょう。

規則正しい生活を心がける

医療脱毛の施術を受ける際、肌の状態を最適に保つことが重要です。

そのためには、規則正しい生活を心がけることが大切です。

肌のターンオーバーは約28日周期で行われ、このサイクルが乱れると、施術後の肌の回復にも影響を及ぼします。

まず、「睡眠」を十分に取ることが大切です。

睡眠中に肌の修復が行われるため、しっかりとした睡眠を確保することで肌のバリア機能が保たれます。

睡眠不足は肌のターンオーバーを遅らせ、施術後の肌荒れや炎症を引き起こす可能性があります。

次に、栄養バランスのとれた食事を摂ることも重要です。

ビタミンやミネラルを豊富に含む食事は、肌の健康を保つために欠かせません。

特にビタミンA、C、Eは、肌の修復や保湿を助けるため、積極的に摂取しましょう。

バリア機能がしっかりと働くことで、施術後の肌トラブルを予防することができます。

医療脱毛の効果を最大限に引き出すためには、「肌のターンオーバー」を正常に保ち、「バリア機能」を強化することが不可欠です。

そのためには、「睡眠」と「栄養バランスのとれた食事」を心がけ、規則正しい生活を送ることが大切です。

施術前の生活習慣を見直し、健康な肌を保つことで、医療脱毛の成功率を高めましょう。

まとめ

敏感肌の方は普通肌の人と比べて、医療脱毛の施術によって肌へのダメージを受けやすい傾向にあります。

医療脱毛の施術を受ける場合は、十分な保湿や紫外線対策を徹底してください。

また、肌へのダメージが少ない蓄熱式の脱毛機を導入しているかどうかチェックすることも大切です。

医療脱毛の施術では、少なからず肌に刺激が加わります。

そのため、敏感肌の方が脱毛の施術を受けるとき、様々なトラブルを想像して不安に思う方も多いでしょう。

しかし、各クリニックでは、施術前に肌の状態を確認したり、照射出力を調整したりすることでなるべくリスクを抑えるよう努めています。

どうしても肌トラブルが不安な方は医療脱毛を検討し、万が一の診察や薬の処方があるかどうかを確認してみましょう。